【安倍首相施政方針演説全文(2)】「国土強靱化で災害に強い故郷を」





衆院本会議で施政方針演説する安倍晋三首相=20日午後、国会・衆院本会議場(鴨川一也撮影)

三 地方創生

(観光立国)

 全体で500近い市町村が、今回、ホストタウンとなります。これは、全国津々浦々、地域の魅力を世界に発信する、絶好の機会です。

 北は北海道から、南は沖縄まで。アイヌの皆さんが受け継いできた伝統音楽や食文化、琉球舞踊など、わが国が誇る全国各地の地域文化に触れていただく「日本博」を、本年、開催いたします。

 国の文化財を積極的に活用できる制度を設け、地域のアイデアによる観光地づくりを後押しします。自家用車による有償の運送サービス制度について規制緩和を行い、外国人観光客の皆さんの地方での足もしっかりと確保いたします。

 首里城の一日も早い復元に向け、全力を尽くします。3月には、那覇空港第2滑走路の供用を開始します。発着枠を10万回以上拡大することにより、アジアのゲートウエーとして、沖縄の振興に取り組んでまいります。

 オリンピック・パラリンピックに向けて、サイバーセキュリティー対策、テロなど組織犯罪への対策に万全を期すことで、安全・安心をしっかり確保いたします。5年後の大阪・関西万博も視野に、多言語化、Wi-Fi環境の整備など、観光立国の基盤づくりを一気に進めます。高い独立性を持った管理委員会の下、厳正かつ公平・公正な審査を行いながら、複合観光施設の整備に取り組みます。

 さらには、外国人観光客の多様なニーズに応える宿泊施設など世界に冠たる観光インフラを整え、2030年6千万人目標の実現を目指します。

(農産物輸出)

 世界に目を向けることで、地方に新しいチャンスが広がります。

 昨年、欧州連合(EU)への牛肉やコメの輸出は、約3割増えました。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)諸国への乳製品の輸出も、2割を大きく上回る伸びとなりました。甘い「紅はるか」は、シンガポールやタイで大人気です。さつまいもの輸出は、昨年、4割以上増加しました。

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