【芸能考察(動画)】ロック界最高のドラマー、ラッシュのニール・パートを偲ぶ

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ラッシュのDVD「ビヨンド・ザ・ライテッド・ステージ」のジャケット。右端がニール・パート

ラッシュのDVD「ビヨンド・ザ・ライテッド・ステージ」のジャケット。右端がニール・パート

 10日の土曜日の早朝、欧米メディアのサイトを巡回していたのだが、このニュースを見つけたとき、絶句した。

 ロック音楽史上、最強レベルの演奏技術で知られたカナダのロックトリオ、ラッシュのドラム奏者兼作詞担当のニール・パートが7日、脳腫瘍(のうしゅよう)のため米カリフォルニア州サンタモニカで67歳で亡くなったのだ。

 10日付の米紙ニューヨーク・タイムズや英紙ガーディアン(いずれも電子版)などによると、この日、バンドの広報担当者が明らかにした。3年前から脳腫瘍と闘っていたという。

 1968年にトロントで結成。74年にパート、ゲディー・リー(ベース兼ボーカル兼キーボード担当)、アレックス・ライフソン(ギター担当)の3人でアルバムデビューしたラッシュ。

 当初はシンプルなハードロックで“カナダのレッド・ツェッペリン”と呼ばれたが、しばらくして路線を変更。クラシック音楽やジャズの影響下にある英生まれのプログレッシブ・ロックを北米で継承する存在となった。

 そうした路線変更に大きな役割を果たしたのが作詞担当でもあったパートだった。国家や政府が経済や社会に介入することを良しとしない政治思想「リバタリアニズム(自由意志主義)」を自著で啓蒙(けいもう)した米女流作家、アイン・ランドの作品群から大きな影響を受けた壮大で詩的で哲学的な歌詞を書き「詩人の心を持つモンスタードラマー」(1月11日付NPR=米公共ラジオ=電子版)と称賛された。

 そんなパートの思想に、ポーランド系ユダヤ人で両親はナチスのホロコーストから逃れるためカナダに移住してきたリーと、同じく両親がホロコーストの生存者でユーゴスラビアからの移民であるライフソンが共鳴。ラッシュならではの壮大かつ知的で、緻密な構成の楽曲群が生まれた。

 「西暦2112年」(76年)や「神々の戦い」(78年)、「ムーヴィング・ピクチャーズ」(81年)といったロック史に残る名盤を次々発表。デビュー40周年記念ツアーを最後にパートが抜け、18年、バンドは活動を終えたが、スタジオ盤19作などアルバムの全世界での総売り上げは約4000万枚。

 日本での知名度は低いが、実は、50万枚以上や100万枚以上の売り上げを記録したアルバムの数は英のビートルズ、ローリング・ストーンズに次ぐ3位で欧米での評価は絶対的だ。

 パートの訃報に接し、そんな彼らの活動を振り返る初のドキュメンタリー映画「ビヨンド・ザ・ライテッド・ステージ」(2010年)のDVD(同年発売)を改めて見たが、360度、ドラムの要塞に囲まれ、人間業とは思えない変拍子と音数の多さは何度見ても驚異的。83年に史上最年少で現代ドラム奏者の殿堂入りを果たし、数多(あまた)のドラマーが称賛するのも頷(うなづ)ける。

(次ページに動画)シンセのペダル踏みつつ、キーボード弾き、足元でベースの…

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