海上自衛隊のP3C哨戒機部隊が20日、アフリカ東部ジブチを拠点に、防衛省設置法の規定「調査・研究」に基づく中東海域での活動を始めた。ジブチ沖のアデン湾を中心に、日本関係船舶の安全確保に向けて不審船などの情報収集を行う。21日に哨戒飛行を始める。
派遣部隊は目視やレーダーで洋上を航行する船の種類、位置、速度、進路などの情報を集める。不審船を発見したら速やかに、国土交通省を通じて船舶会社に連絡する。米イランの対立により中東情勢が不安定化し、日本の船舶業界では安全な航行のために情報を求める声が高まっている。
海自は平成21年以降、海賊対処法に基づき、ジブチを拠点に哨戒機による海賊対処活動を実施している。今回派遣された哨戒機部隊は海賊対処を引き継ぐとともに、新たな情報収集活動も行い、二重任務を負う形になる。
20日は、現地に派遣されている哨戒機部隊から任務を引き継いだり、機体を点検したりした。
護衛艦1隻も2月2日に神奈川県の横須賀基地を出発し、同月下旬にオマーン湾やアラビア海北部を中心に情報収集活動にあたる。哨戒機、護衛艦いずれも独自に活動し、米国主導の有志連合の指揮下には入らない。ただ、得られた情報は米海軍など交換する。
活動期間は、派遣を閣議決定した昨年12月27日から1年間で、再度の閣議決定により延長可能。