長崎市で2007年、選挙運動中の伊藤一長前市長=当時(61)=を射殺したとして、殺人や公選法違反(選挙の自由妨害)罪などで無期懲役の判決が確定し、服役していた元暴力団幹部、城尾哲弥受刑者が大阪医療刑務所で死亡したことが23日、関係者への取材で分かった。死亡したのは22日で、72歳だった。
確定判決によると、城尾受刑者は07年4月17日夜、市の対応への不満から現職だった伊藤前市長を恨み、選挙事務所近くの歩道上で拳銃を2発撃ち、殺害した。
長崎地裁は08年5月、「有権者の選挙権行使を著しく妨害した」と指摘し、殺害された被害者が1人でも極刑はやむを得ないと判断し、死刑判決を言い渡した。09年9月の福岡高裁判決は無期懲役とした。最高裁は12年1月、検察、被告側双方の上告を棄却し、二審判決が確定した。