安倍晋三首相は24日の参院本会議で、いわゆる徴用工判決で日韓請求権協定違反の状態が生じていることを踏まえ「韓国側には国と国との約束を守り、未来志向の関係を築き上げることを切に期待している」と述べた。首相は「韓国は元来、基本的価値と戦略的利益を共有する最も重要な隣国だ」とも語った。
首相は「桜を見る会」や公職選挙法違反疑惑による閣僚の辞任、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業に絡む汚職事件などに関し「大切な審議時間が政策論争以外に多く割かれてしまっている状況は国民、納税者に大変申し訳ない」と謝罪した。野党が求めるIR事業の凍結・廃止については「(IR推進法などは)国会で議論が積み重ねられた上で成立したもので、政府としては必要な準備を進めるのが基本的な立場だ」と否定した。
衆参両院の代表質問は24日で終了し、衆院予算委員会は令和元年度補正予算案と2年度予算案の趣旨説明を行った。与野党は補正予算案について27日の衆院予算委で実質審議入りし、28日の予算委と衆院本会議で採決する日程で合意。参院での審議を経て30日に成立する見通しとなった。