【北京=三塚聖平】中国国家衛生健康委員会は30日、新型コロナウイルスによる肺炎の感染者が中国本土で7711人、死者が170人になったと発表した。チベット自治区でも初めて感染者が出ており、これにより中国の31省・自治区・直轄市の全てで感染者が確認されたことになる。中国本土全域に感染が広がり、日本など世界でも感染者の拡大に歯止めがかかっていない。
同委によると、29日に中国本土で新たに確認された感染者は1737人で、死者は38人だった。現時点で感染が疑われる事例は1万2167人に上っており、当面は感染者数の拡大が続くものとみられる。また、回復して退院したのは30日までに124人だと説明している。
湖北省の衛生当局は30日、新型肺炎の発生状況が最も厳しい武漢市を含む全省の感染者数は4586人、死者は162人になったと発表した。死者の大部分は湖北省に集中しているものの、29日には四川省でも初めて死者が出ている。北京市や上海市、南部の海南省など幅広い範囲で徐々に死者が確認されるようになっている。
中国政府は、各地での感染拡大に歯止めをかけるため、春節(旧正月)の休暇を2月2日まで延長している。ただ、休暇明けに各地から多くの人が戻ってくる際に、公共交通機関の利用者が増えることにより、感染がさらに拡大する恐れもあるため警戒感が高まっている。