福島県郡山市の田んぼに、臓器移植用の心臓を運んでいた県警航空隊のヘリコプター「あづま」が不時着、横転した事故で、県警は1日、操縦士の警察官が「機体が風にあおられ、不安定になった」と話していると明らかにした。操縦士は、住宅を避けて田んぼに不時着したとも説明しているという。
搭乗していた7人のうち、骨折などの重傷者は、東大病院(東京)の医師、井戸田佳史さん(39)ら4人に増え、3人が軽傷と判明した。
日本臓器移植ネットワークによると、東大病院での脳死移植手術を医学的理由から断念。事故による移植断念は初めて。手術を受ける予定だった50代男性の容体に問題はない。移植断念について、県警の佐藤実地域部長は「誠に申し訳ない」と陳謝した。
県警は現場で実況見分し、業務上過失傷害容疑を視野に調べている。運輸安全委員会は航空事故調査官2人を派遣する。