【香港=藤本欣也】香港の看護師ら医療関係者約2400人が3日、中国本土との境界の完全封鎖などを求めてストライキに突入した。新型コロナウイルスの感染に歯止めがかからない中でのスト決行は極めて異例。香港政府は同日、出入境施設の追加閉鎖を余儀なくされた。
ストに入ったのは、一部の医療関係者が参加する労働組合「病院管理局職員戦線」。3日は、非緊急部門で働く看護師や医師らがストを行った。各病院は元看護師らを動員して対応したが、一部の手術が延期されるなどの影響が出た。
香港の出入境施設のうち香港政府は6カ所を閉鎖していたが、医療関係者らは(1)それでは全体の1割しか流入を阻止できない(2)香港に隣接する広東省の感染者が600人を突破している-として全施設の閉鎖や市民のマスク着用の義務化など「5大要求」の受け入れを迫った。
政府は3日のストを受けて、陸路で最大の施設である羅湖などさらに4カ所を閉鎖すると発表。組合側はストを継続するか検討に入った。
世論調査によると、香港市民の8割が完全封鎖を支持しているという。