【北京=三塚聖平】中国では3日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延長されていた春節(旧正月)の大型連休が明けた。同日に再開した上海の株式市場は大幅に下落。感染拡大に歯止めがかからないなかで、企業活動が大幅な制限を受ける異常事態が続く。マヒ状態が長期化している中国経済のさらなる悪化は不可避となっており、世界経済を脅かす新たなリスクとして影を落とし始めた。
「できれば家にいたい。今が一番心配な時期だ」
3日朝、北京市中心部のホテルで従業員の女性が、先行きが見えない不安な心境を吐露した。北京の地下鉄駅では出勤時間帯も人の姿が平常時よりも目に見えて少なく、ほとんどの人がマスク姿だった。
春節明けの3日は波乱含みのスタートとなった。取引が再開された上海株式市場では、代表的な指標である上海総合指数が約4年5カ月ぶりの下落率を記録した。また、北京市が9日まで出勤を控えるよう企業に求める通知を出すなど、感染拡大を避けるための事実上の制限措置が、春節後も企業活動を停滞させている。感染拡大が深刻な湖北省武漢市では春節の連休最終日が13日に再延長されており、自動車など日系企業の工場も休業の長期化が避けられない情勢だ。