県は7日、令和2年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比320億8千万円(4・0%)増の8373億7千万円。昨秋の台風被害に対応する費用がかさみ、2年連続で増加した。福田富一知事は記者会見で「復旧・復興が最優先課題」と強調。その上で今回の特徴としてあらゆるモノをインターネットで結ぶIoTや人工知能(AI)の活用を挙げ「デジタル戦略がキーワードだ。未来技術で栃木を進化させたい」と述べた。
歳入では、県税が企業収益の低下が響いて40億円減の2500億円となり、県債発行額が49億円多い1132億円となった。このうち、国が後年度に負担する臨時財政対策債は横ばいの400億円。臨財債を除く県債残高は6396億円を見込んだ。
財源不足を補うため財政調整基金と県債管理基金を94億円取り崩し、両基金の残高は355億円となる。
県債残高について福田知事は「令和6年度以降の改善を見込んでいる。関東東北豪雨や国体関連施設の整備、昨年の台風19号への対応で、今が一番厳しい時期だ」と説明した。
一方、歳出を目的別にみると、多い順に教育費1878億円(22・4%)▽民生費1067億円(12・7%)▽公債費1025億円(12・2%)▽土木費906億円(10・8%)▽商工費513億円(6・1%)-などとなった。
災害復旧費は248億円(3・0%)。堤防600カ所を3カ年で強化する緊急対策プロジェクトに初年度30億円を投じるほか、小規模河川を対象としたハザードマップの作成支援などソフト面の対策も講じる。
歳出を性質別にみると、高齢化の進展で医療福祉関係経費が38億円増え、義務的経費は5295億円に。投資的経費は、総合スポーツゾーンの整備が山を越えた一方で災害復旧費が膨らみ、213億円増の1653億円となった。