障害あっても移動自由に アプリやロボ開発へ大手が本腰



障害者や高齢者ら誰もが移動しやすくなることを目指す「ユニバーサルMaaS(マース)」のサービス提供に向けた連携を発表する全日本空輸や京浜急行電鉄関係者ら=7日、神奈川県横須賀市
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 高齢化が進む中、新たな移動サービス提供に向けた動きが出始めた。全日本空輸と京浜急行電鉄などは7日、障害者や高齢者らが自由に移動できるスマートフォンアプリを活用したサービス「ユニバーサルMaaS(マース)」の提供に向けて連携すると発表した。令和2年度内の実用化を目指す。清水建設や日本IBMなどもカメラやセンサーを備えて視覚障害者らの移動を補助するスーツケース型ロボットの開発に向けて協業。新たな需要開拓の意味からもユニバーサルサービスに注力する企業は増えそうだ。

 全日空などが実験を開始したユニバーサルマースのサービスでは、車椅子利用者らがアプリに、出発地から目的地までの経路、障害の種別や車椅子の種類といった介助に必要な情報などを入力すると、利用者が行きやすいバリアフリーの乗り換え案内やルートの検索ができる。駅員ら交通事業者側のアプリには、介助に必要な情報やサービス利用者の位置情報が届くため、介助対応もしやすくなるという。

 2年度中に、羽田空港から、今回、協業に向けた連携を締結した横須賀市の京急線の駅までの移動をスムーズにできるようにすることを目指す。

 ユニバーサルマースは、全日空企画室MaaS推進部の大沢信陽さんが、3年ほど前に車椅子利用者の祖母のために検討を始めたという。大沢さんは「祖母は、介助されるのに他人に迷惑をかけたくないとひ孫に会いに上京するのをためらっていた。しかし、どの移動手段でも交通事業者は利用者にスムーズな移動をさせないといけない」と述べた。


車椅子で行きやすいルートの検索などができるユニバーサルマースのアプリを利用する実験に参加した車椅子利用者の女性=7日、神奈川県横須賀市
車椅子で行きやすいルートの検索などができるユニバーサルマースのアプリを利用する実験に参加した車椅子利用者の女性=7日、神奈川県横須賀市
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 すでに昨年6月から実験を開始し、改善を重ねている。車椅子利用者で実験に参加している元全日空系社員の堀江奈穂子さんは「羽田空港内でどのエレベーターを使えば駅まで最短かといったルート検索や、あと何駅で目的駅まで着くのかもわかる。介助してくれる人もアプリを見て先に待ってくれているので安心して電車にも乗れる」と笑顔を見せた。

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