【香港=藤本欣也】新型コロナウイルスによる肺炎患者が増えている香港で8日、中国本土からの入境者全員に2週間の検疫を義務付ける防疫策がスタートした。ただ、発熱など症状のない香港市民や中国本土出身者は原則、隔離施設ではなく、自宅やホテルでの滞在が認められた。2週間外出を禁じられ、違反した場合、最高2万5千香港ドル(約35万円)の罰金および禁錮6月が科せられるが、未発症者から感染したケースもあり、「ニセ隔離措置だ」(民主党議員)などと批判の声が上がっている。
一方、中国本土との境界封鎖を求めて3日からストライキを行っていた看護師や医師らは8日、職場の各病院に復帰した。労働組合側はスト最終日の7日、政府が要求を拒否し続けているとして、ストを延長するかをめぐり投票。結局、スト終結が決まった。
また香港当局は8日も、5日に入港したクルーズ船「ワールド・ドリーム」の乗員乗客約3600人の下船を許可せず、検疫を続けた。