大阪府と大阪市は10日、最先端技術で住民生活の質を向上させる「スマートシティ戦略」の素案を取りまとめた。健康寿命の延伸や高齢者向け交通移動手段の充実といった課題を想定し、官民連携で解決策を提示する都市の実現が柱。「未来社会の実験場」を理念に掲げる2025年大阪・関西万博に向け、より具体化させた戦略を今年3月までに策定する。
府は4月にスマートシティ戦略部を発足させ、準備を本格化する。素案ではICT(情報通信技術)やAI(人工知能)の技術を活用し、交通網が行き届いていないニュータウンや山間部で高齢者の生活実態に合わせた移動手段を導入するなどの構想を描いた。
スケジュールとしては、令和2~3年に行政サービスの利便性向上を実現。4~5年に先端技術の実証実験を通じた事例を蓄積し、6~7年に万博開催を支える都市基盤を確立する。
吉村洋文知事はこの日の会議後、記者団に「住民に生活の質が良くなったと実感してもらうにはテクノロジーの力が必要だ。熱意ある市町村長と連携し、オール大阪でやりたい」と語った。