独首相の「後継」断念 与党CDU党首が辞意表明





「キリスト教民主同盟」(CDU)のクランプカレンバウアー党首(ロイター)

 【パリ=三井美奈】ドイツでメルケル首相の中道右派与党、「キリスト教民主同盟」(CDU)報道官は10日、クランプカレンバウアー党首が辞意を表明したと発表した。来年予定される総選挙で首相を目指す意向を断念したもので、メルケル首相の後継者レースが混とんとしてきた。

 報道官によると、CDUは今夏、党首選を行う予定。新党首選出まで、クランプカレンバウアー氏が党首を続ける。同氏は国防相を務めており、閣僚としては留任する。

 同氏の「後継断念」は今月5日、旧東独チューリンゲン州議会で、CDUが移民排斥主義の「ドイツのための選択肢」(AfD)と歩調を合わせ、少数右派の州首相を選出したのがきっかけになった。同氏は党首として「反AfD」を鮮明にしており、党内の指導力不足を露呈した。この州首相は6日に辞意を表明したが、CDUでは党首の責任を問う声が高まっていた。

 メルケル首相は2018年、地方選連敗の責任をとる形で、21年の任期末で引退する意向を表明した。クランプカレンバウアー氏は18年12月、CDU党首選に勝利し、後継者とみなされてきた。



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