12日の衆院予算委員会で主要野党は、政府が国家公務員法の規定に基づいて黒川弘務東京高検検事長の定年延長を決めたことは過去の政府見解と矛盾するとして改めて批判した。森雅子法相は「(検察官も)国家公務員法が適用される。内閣法制局、人事院にも相談して異論はない旨の回答を得ている」と反論した。
検察庁法は検察官の定年を63歳とする一方、定年延長の規定がない。10日の予算委で立憲民主党の山尾志桜里氏が、人事院幹部が「検察官に国家公務員法の定年制は適用されない」と述べた昭和56年の衆院内閣委の議事録を取り上げ、黒川氏の定年延長は違法だと追及していた。
12日の予算委では、人事院幹部が「国家公務員法と検察庁法の適用関係は法務省で適切に整理されるべきもの」と説明。森氏は「(一般の公務員は)公務遂行上、必要な場合は延長させることになっており、検察官も一切延長できないのはおかしい」と述べた。
一方、国民民主党の後藤祐一氏は「桜を見る会でいろいろ言われている。(政権の)守護神として(黒川氏を)残したかったのではないか」と批判。安倍晋三首相は「無理やり刑事訴訟の俎上に載せようと苦労されているんだろうが、そんなことは起こり得ない。何とかの勘ぐりではないか」と反発した。