2月2日、神奈川県の海上自衛隊横須賀基地。岸壁にたたずむ護衛艦「たかなみ」(全長151メートル、基準排水量4650トン)の全身グレーの威容が、青空に映えた。
午前10時42分、乗組員約200人が甲板に並んで直立した船体は、ゆっくりと岸を離れた。軍艦マーチのラッパ演奏の中、自衛隊最高指揮官の安倍晋三首相、河野太郎防衛相、そして乗組員の家族約500人が岸壁から見送った。
現在たかなみは南シナ海を抜け、原油輸入のシーレーン(海上交通路)である中東海域に向かっている。今回の任務は、防衛省設置法の「調査・研究」に基づき、中東海域での情報収集だ。今月下旬に現着し、石油タンカーなど日本関係船舶が安全に航行できるよう活動を始める。往来する船舶の船籍国や船名、位置、進路などを確認し、不審船の発見に努める。
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たかなみは「汎用型護衛艦」と呼ばれる。対空、対艦、対潜水のいずれの軍事作戦にも対応でき、哨戒ヘリを最大2機搭載できる。その名の通り汎用性が高く、非常に使い勝手の良い艦艇である。