【北京=西見由章】中国の王毅国務委員兼外相は15日、ドイツ・ミュンヘンで開催中の「ミュンヘン安全保障会議」で演説した。王氏は中国湖北省武漢から世界に感染が拡大した新型コロナウイルスについて、国外の感染者数が全体の1%以下にとどまっていることに触れて「中国は世界の公衆衛生のために多大な努力を払った」と自賛した。
王氏は「習近平国家主席の指導の下、中国政府は新型コロナウイルスの感染拡大との戦いに全力を注いでいる」と強調。また多くの国の首脳が中国政府の対応を称賛していると主張し、「対応の迅速さと規模、有効性は中国の(政治)体制の優位性を示している」と誇った。
今後の感染抑制に向けた見通しについては、湖北省以外での感染者の増加に一定の歯止めがかけられているとの見方を表明。「病例の多くは治癒可能だ」とし、「困難は一時的なもの」だと述べた。さらに、中国経済と社会は「安定した持続的な発展」を継続できるとの自信もみせた。