ケフィア元代表ら9人逮捕 出資法違反「金集め間違いない」 警視庁





逮捕され、警視庁本部に入る鏑木秀弥容疑者=18日午前8時

 加工食品などのオーナーを募って多額の現金を集め、平成30年に破産した通信販売会社「ケフィア事業振興会」(東京都千代田区)をめぐり、元本保証を約束して資金を集めたとして、警視庁生活経済課などは18日、出資法違反(預かり金の禁止)容疑で、元代表の鏑木秀弥(かぶらき・ひでや)容疑者(84)=葛飾区東新小岩=ら男女9人を逮捕した。

 同課によると、同社は通販サイトで干し柿やリンゴジュースといった加工食品を中心に販売。1口5万円などで加工食品のオーナーになれば、半年後に5~10%程度の利息を上乗せして返還する「オーナー商法」を展開していた。同社の設備への投資なども募っていた。

 逮捕容疑は29年4月~30年6月ごろ、千葉県の85歳男性ら男女19人から元本保証を約束し、計約1億8千万円を預かったとしている。鏑木容疑者は調べに対し容疑を認め、「金を集めたことに間違いありません」と供述している。

 同社は12年3月から30年8月ごろにかけてオーナー商法などにより、全国の高齢者ら4万4千人以上から総額約2100億円を集めたとされる。同社は30年9月に破産し、約3万人が出資した約1千億円が返済不能となっているとみられる。

 破産前の数年間は顧客から集めた金を別の顧客への配当に充てる「自転車操業」に陥っていたとみられ、同課は鏑木容疑者らが経営の行き詰まりを認識して以降も顧客から集金を続けていた可能性が高いとみて、詐欺容疑での立件も視野に捜査を進める方針。

 同課は昨年2月、ケフィア本社やグループ会社を出資法違反容疑で家宅捜索し捜査に着手。同月には、鏑木容疑者の息子でグループ会社代表の鏑木武弥氏=当時(51)=が都内の自宅マンションで自殺しているのが発見された。

 被害対策弁護団には、全国の約3200人から被害相談が寄せられている。30年11月には、債権者らが鏑木容疑者らに計約1億7千万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしている。



Source link