【北京=三塚聖平】中国政府は18日、農産物やエネルギーなどの米国からの輸入品696品目を対象に追加関税の適用を免除すると発表した。免除期間は1年間で、3月2日から申請を受け付ける。米国との「第1段階」の貿易協定を受けた措置の一環で、トランプ米政権が求める米国製品の輸入拡大を進める。
中国は14日に米国と同時に追加関税を一部軽減しており、今回はそれに続く合意履行の措置となる。免除対象には、豚肉や牛肉、大豆、原油、液化天然ガス(LNG)などが含まれる。1月中旬に署名した第1段階の貿易協定は、中国が米国産の農産品や工業品、エネルギーなどの輸入を2年で計2千億ドル(約22兆円)増やすことが主な柱で、中国政府は今回の免除措置で輸入拡大を促す。
一方で、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)で打撃を受ける中国経済を支える狙いも透ける。中国ではアフリカ豚熱(ASF)の感染拡大により豚肉の供給が不足。さらに新型肺炎の影響による物流網の停滞が追い打ちとなり、足元で食品を中心に物価高騰が進んでいる。追加関税の適用免除で肉類の輸入を拡大させる考えとみられる。