米、インフル症状も検査対象に 新型肺炎





チャーター機で中国・武漢から退避してきた人たち=1月29日、カリフォルニア州リバーサイド郡の空軍基地(ロイター)

 【ワシントン=住井亨介】肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、米当局は中国からの帰国者らだけでなく、季節性インフルエンザの症状を示す人への新型コロナウイルス検査に乗り出した。新型コロナウイルスの症状は発熱やせきなどで、インフルエンザと見分けがつきにくいためだ。

 米疾病対策センター(CDC、本部ジョージア州アトランタ)が14日に発表した。ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトル、シカゴ、ニューヨークの公衆衛生当局5カ所でインフルエンザの症状を持つ患者に対して検査を実施し、順次拡大する方針だ。

 CDCの試算によると、今シーズンのインフルエンザの感染者数は少なくとも2600万人に上り、1万4千人が死亡したとされる。一方、新型コロナウイルスの米国内感染者は18日までに15人としている。

 CDCは米厚生省の下部機関で感染症対策などを担う。新型コロナウイルスをめぐっては、CDCの専門家や政権幹部ら12人で構成する特別対策チームがホワイトハウスに設置され、アザー厚生長官が主導して感染拡大の防止や監視に当たるなど、トランプ政権は警戒を強めてきた。

 今月2日には、14日以内に中国本土に滞在歴のある外国人の入国を拒否する規制が開始された。米CNNテレビが米国土安全保障省のデータを集計したところ、2~12日に空港や港湾で計140人以上が入国を拒否されたという。

 CDC幹部は「われわれの積極的な措置によって米国内での(コロナウイルスの)感染は抑えられていると楽観視している」としている。これまでは新型コロナウイルスの感染拡大を水際で食い止めてきたが、今後は米国内で流行するインフルエンザ患者から新たに感染者が判明する可能性もある。



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