【ロンドン=板東和正】欧州連合(EU)欧州委員会は19日、人工知能(AI)などのデジタル戦略を発表した。フォンデアライエン欧州委員長は記者会見で「今後10年にわたり年200億ユーロ(2兆4千億円)超の投資を呼び込む」と表明し、AI開発を加速させる方針を表明した。
欧州委は同日、EU域内企業や研究機関などが持つ大規模なデータを蓄積したシステムを構築する方針も発表した。「GAFA(ガーファ)」と呼ばれる米巨大IT企業に対抗する狙いとみられる。同システムは各企業が共有できるようになるという。EU域内には世界的企業を含む多様な企業が存在しており、システムを共有することで、製造業や健康分野などの企業育成につながることが期待されている。
一方、欧州委はAIが監視社会を招かないようデータ保護などの規制も強化する方針だ。