【韓国】中央日報、韓国内の新型コロナウィルス感染者の行動履歴を確認出来るサイトを公開[2/22]
■韓国では、感染者の情報が公開されている
もともと韓国では、韓国保健福祉部によって新型コロナウィルス感染者確定者の移動経路が公開されていた。
この中には、韓国での新型コロナウィルスの感染拡大のきっかけとなったと言われている「No.31」の女性の行動も公開されており、推定される接触者の人数は1160人と推定されている。
■韓国での、感染拡大のきっかけとなったNo.31の女性の足取り
韓国保健福祉部の公開データは文字による公開なので、土地勘の無い人間にはどこをどう移動したのかが、わかりづらい。中央日報の公開した「私達の街のコロナ地図」では、地図上に行動履歴をマッピングして表示してくれているので、土地勘の無い人間にとっても視覚的にわかりやすくなっている。
感染拡大のきっかけとなったNo.31の女性の行動も確認出来る。この地図は韓国での感染拡大の震源地となったと言われているNo.31の女性が参加した集会の会場「新天地大邱教会」。ここから立ち寄った病院やホテル、保健所等を視覚的に見ることが出来る。
■人権やプライバシーの問題と、リスク回避
当然、人権やプライバシーの問題はあるものの、韓国では市中感染のリスクを考慮しなければならない状況となっており、こういったサービスが求められる背景も理解出来る。もちろん感染リスクを防ぐという所に注力するあまり、感染者が差別を受けないようにする隔離策や、治療方法の確立も合わせて提供することが重要であり、万が一感染したとしても正しく安全に隔離され、完治し、感染者の家族等も含めて不当な差別を受けないようにする支援も大切だろう。
日本でも韓国同様に市中感染の状況となっており、既に新型コロナウィルスの感染経路を把握出来ない状態となっている。日本国内で同様のサービスを提供することは、人権やプライバシー、法律等様々な点から難しいとは思うが、日々増加する感染者の数に不安を抱える市民の数は多い。また、「北海道」や「和歌山」といった大きな括りで報道されてしまうため、感染者の移動経路から大きく外れた飲食店や宿泊施設にも足取りが途絶えてしまっている。
新型コロナウィルスの対応に追われる地域では、様々な試みが行われている。韓国の事例が最善策で有ると現時点で判断することは時期尚早だが「一つの対応策」としては、参考になる事例だろう。
大元隆志
クラウドセキュリティアナリスト/国士舘大学経営学部非常勤講師
https://news.yahoo.co.jp/byline/ohmototakashi/20200222-00164249/