【ラスベガス(米ネバダ州)=黒瀬悦成、平田雄介】11月の米大統領選に向けた民主党の候補指名争いの第3戦、西部ネバダ州党員集会でサンダース上院議員(78)が他候補に大差をつけて勝利を確実にしたことは、サンダース氏が「本格候補」として党候補指名を獲得することへの現実味が徐々に増してきたことを意味する。
ネバダ州でのサンダース氏の勝因の一つは、最大都市ラスベガスなどのサービス業従事者が加盟する「料飲業者組合」(組合員数約6万人)の組合員の多くが同氏の支持に回ったとみられることだ。
組合執行部は20日、「どの候補も支持しない」と表明し、サンダース氏の公約である「国民皆保険」に批判的な立場を示したが、実際には同氏の訴えは組合員らに浸透していた。
ラスベガスの高級カジノホテル「ベラッジオ」で開かれた党員集会に参加したホテル従業員、ホセ・アルバレス氏(57)は「組合は会社側から健康保険制度を勝ち取ったが、解雇されたり、会社が倒産したりすれば保険を失うことになる。国民皆保険は納得できる政策だ」と主張した。
ネバダ州での結果が、民主党を支える組合勢力の間でサンダース氏への抵抗感が減っている兆候であるとすれば、今後の指名争いで同氏が支持をさらに拡大していく公算は大きい。
NBCニュースが22日実施した党員集会参加者への入り口調査でも、62%が「国民皆保険」を支持すると回答。初戦のアイオワ州党員集会の参加者の57%、第2戦の東部ニューハンプシャー州予備選の参加者の58%も同様の調査で国民皆保険に支持を表明した。
若者層からの支持も引き続き強固で、17~29歳の3分の2がサンダース氏を支持するとした。