米タリバン和平、ドーハで29日署名 米最長の戦争、最終局面


 【シンガポール=森浩】アフガニスタン和平をめぐり、米国とイスラム原理主義勢力タリバンによる和平合意が29日、カタールの首都ドーハで署名される。AP通信によると、署名式典には立会人として、ロシアやインド、パキスタンなどの代表も招待された。2001年から続く「米国史上最長の戦争」は終結に向けて最終局面を迎えた。

 判明している和平案によると、合意後に米国は駐留米軍を現在の1万4000人規模から8600人に削減する。タリバンはアフガン国土を「他のテロ組織の拠点にしない」ことを確約し、アフガン政府と直接の和平交渉も行う。

 米国とタリバンは22日から和平の前提となる「暴力の削減」を開始。アフガン・メディアによると、暴力削減の開始以降もタリバンは全土で政府施設などへの攻撃を続け、28日までに市民や警察官ら計20人以上が死亡した。だが、米軍など外国部隊に被害は出ておらず、米国やアフガン政府は暴力削減はおおむね達成されたと判断している。

 トランプ米大統領は25日、訪問先のインドで暴力削減が順調に推移しているとの認識を示した上で「米国はアフガンの警察ではない」と改めて主張し、米軍撤収に意欲を見せた。

 署名の式典には、米国からはトランプ政権の代表としてハリルザド・アフガン和平担当特別代表が出席する見通しだが、タリバン側の出席者は明らかになっていない。

 アフガン・メディアによると、29日にはエスパー米国防長官と北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長がアフガンの首都カブールを訪れ、ガニ大統領とともに、今後のアフガン国内での協力体制について声明を発表する見通しだ。



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