「危機にあっては、常に最悪の事態を想定し、あらかじめ備えることが重要です。北海道では鈴木(直道)知事が緊急事態宣言を発出し、この週末、外出を控えるよう道民への呼びかけを行っています。国も雇用調整助成金の特例を設け、正規の方も含めて休業となる方々への支援をしっかりと行ってまいります。必要な物資の提供など、あらゆる協力を惜しまない考えであります」
「さらに今後、一定の地域において、急激な感染の拡大などが見られた場合にどのような措置を取るか。その具体化は、もはや待ったなしです。すでに政府として基本方針をお示ししているところでありますが、あらゆる可能性を想定し、国民生活への影響を最小とするために立法措置を早急に進めてまいります。今後とも、国民の健康と安全を守ることを何よりも最優先に必要な措置は躊躇(ちゅうちょ)なく実施する考えであります」
「今回のウイルスについては、いまだ未知の部分がたくさんあります。よく見えない、よく分からない敵との戦いは容易なものではありません。率直に申し上げて、政府の力だけでこの戦いに勝利を収めることはできません。最終的な終息に向けては、医療機関、ご家庭、企業、自治体をはじめ、1人1人の国民の皆さんのご理解、ご協力が欠かせません。皆さんの暮らしに直結する決断には、当然、さまざまなご意見、ご批判が伴います」
「内閣総理大臣として、そうした声に真摯(しんし)に耳を傾けるべきは当然です。しかし、それでもなお内閣総理大臣として国民の命と暮らしを守る、その大きな責任を果たすため、これからも先頭に立ってなすべきことは決断していく。その決意であります」
「終息への道のりは予断を許しません。険しく、厳しい戦いが続いていく。そのことも覚悟しなければなりません。本当に大変なご苦労を国民の皆さまにはおかけしますが、改めてお一人お一人のご協力を深く深くお願いする次第であります。しかし、私たちは必ず乗り越えることができる。そう確信しています」
「最後になりましたが、ダイヤモンド・プリンセス号の現場対応を含め、先月以来、ウイルスの戦いの最前線で頑張ってくださっている医療関係者の皆さんをはじめ、すべての関係者の皆さんのご努力に心より敬意を表するとともに、これからもこの戦いにご協力をお願い賜りますようにお願いを申し上げる次第であります。私からは以上であります」=(5)に続く