台湾の最新鋭エイブラムス戦車、実弾射撃訓練を初公開 – 中国侵攻への備え強化

中国軍による侵攻に備え、台湾が米国から調達した最新鋭戦車「M1A2Tエイブラムス」の実弾射撃訓練が10日、北西部の新竹県で行われ、内外メディアに初めて公開された。これは、台湾軍の防衛能力強化を示す重要な機会となった。昨年12月に第1陣として到着した38両は、年内にも実戦配備される見通しだ。

頼総統が「地上最強」と称賛

訓練を視察した頼清徳総統は、エイブラムス戦車について「打撃能力と機動性が非常に高く、『地上最強の戦車』の名に恥じない」と高く評価した。さらに総統は、部隊に対し「団結して国の主権を守り、苦労して勝ち取った民主的で自由な生活を維持しよう」と訓示した。

訓練で標的に全弾命中

公開された射撃訓練では、4両のエイブラムスが参加。静止状態からだけでなく、走行しながらの射撃も行われた。合計19発が発射され、中国軍の主力戦車などを模して設置された標的に、すべて命中させる高い精度を見せた。
台湾軍の新竹県訓練場で実弾射撃を行う米国製最新鋭M1A2Tエイブラムス戦車 中国侵攻への備え台湾軍の新竹県訓練場で実弾射撃を行う米国製最新鋭M1A2Tエイブラムス戦車 中国侵攻への備え

エイブラムス導入の背景

現在、台湾の主力戦車は、1994~96年にかけて米国から計460両を導入したM60A3や、450両の台湾製CM11など、旧式化が進んでいる車両が多い。これに対し、エイブラムスは高い装甲貫徹力を誇る120ミリ砲を搭載しており、現代の戦場における優位性が期待されている。台湾は、計108両のM1A2Tエイブラムスを米国から購入する計画を進めている。

進行中の「漢光演習」とは別項目

なお、台湾では今月9日から、中国による軍事侵攻を想定した大規模年次演習「漢光」の実動演習が各地で始まっている。今回のエイブラムス実弾射撃訓練は、この漢光演習の公式な演習項目には含まれていないことが確認されている。

台湾の最新鋭エイブラムス戦車による実弾射撃訓練の公開は、防衛力強化と中国からの脅威への備えを示すものだ。最新装備の実戦配備は、台湾の抑止力向上に貢献すると期待されている。

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