「PCR検査については、国立感染症研究所における対応に加え、先月来、全国にある地方衛生研究所、民間の検査機関、大学に対して、試薬などを検査キットを積極的に提供し、その能力構築に努めてまいりました。その結果、現時点で全国で1日あたり4000件を超える検査能力があります。現在も地方にある民間検査機関、大学に試薬などを提供し、一層の検査能力の拡大に努めてまいります」
「PCR検査については、検査がしたくても保健所で断られ、やってもらえないというご指摘をたくさんいただいております。保健所は、都道府県や政令市の組織ですが、政府として、医師の判断において感染を疑う場合には検査を行うよう、これまでも繰り返し依頼を行ってきたところです。また、その地域の検査能力に限界があるために、断られるといったことが断じてないように、広域融通によって必要な検査が各地域で確実に実施できるよう国において仲介を行います」
「来週中にPCR検査に医療保険を適用いたします。これにより、保健所を経由することなく民間の検査機関に直接、検査依頼を行うことが可能となります。民間検査機関の検査能力も大幅に増強されます。加えて現在、検査の中で2、3時間を要しているウイルスを検出するための作業を15分程度に短縮できる新しい簡易検査機器の開発を進めています。この1カ月間、試薬の開発、精度向上などに取り組んできたところであり、3月中の利用開始を目指します」
「こうした取り組みを総動員することで、かかりつけ医など、身近にいるお医者さんが必要と考える場合には、すべての患者の皆さんがPCR検査を受けることができる十分な検査能力を確保いたします。重症化予防の観点からは、治療のために必要な病床の確保も重要です。全国で2000を超える感染症病床がありますが、緊急時には感染症指定医療機関の病床を最大限動員し、5000床を超える病床を確保いたします。病院への支援を行い、現時点で空いているベッドをすべて維持してもらうことで、患者が大幅に増加する事態にも万全の医療提供体制を整えます」
「今回のウイルスには現時点で、インフルエンザのように有効性が確認された治療薬がない。この点が、世界的な不安の最大の原因となっています。そのため、現在、わが国ではいわゆるアビガンを含む3つの薬について、新型コロナウイルスに有効性があるかどうかを見極めるため、観察研究としての患者への投与をすでにスタートしています」
「いずれも新型コロナウイルスを用いた基礎研究では、すでに一定の有効性が認められていることから、実際の患者の皆さんにその同意を得て使用することで、治療薬の早期開発につなげてまいります。危機にあっては常に最悪の事態を想定し、あらかじめ備えることが重要です」