【新型肺炎】首相記者会見全文(2)「第2弾の緊急対応策、10日程度で取りまとめる」





記者会見する安倍晋三首相=29日午後、首相官邸(萩原悠久人撮影)

 「企業の皆さんには、お子さんのおられる従業員の方の配慮をお願いいたします。特に日ごろから人手不足に直面している中小・小規模事業者の皆さん、医療関係者、介護や保育の関係者の皆さんなどに大変な負担をおかけいたします。その軽減に向けて、小さいお子さんをお預かりできるよう、できる限りの対策を講じます。学童保育において、春休みと同様の対応をとることなど、各自治体におけるさまざまな取り組みを国として、全力で支援する考えです。保護者の皆さんの休職に伴う所得の減少にも新しい助成金制度を創設することで、正規・非正規を問わずしっかりと手当てしてまいります」

 「私が決断した以上、私の責任においてさまざまな課題に万全の対応を取る決意であります。2700億円を超える今年度予備費を活用し、第2弾となる緊急対応策を今後10日程度のうちに速やかに取りまとめます。新型コロナウイルスの感染が世界的な広がりを見せる中で、海外からの観光客の減少に加え、工場の製造ラインを維持できるのかといった不安も拡大しています。業種に限ることなく、雇用調整助成金を活用し、特例的に1月まで遡(さかのぼ)って支援を実施します。「中小・小規模事業者の皆さんが直面する課題について、その声を直接うかがう仕組みを作り、強力な資金繰り支援をはじめ地域経済に与える影響にしっかりと対策を講じます。そして、感染拡大防止の観点からもテレワークなどIT技術を活用しながら、社会のあらゆる分野で遠隔対応を進め、未来を先取りする変革を一気に進めます」

 「各地の主要な株式市場において軒並み株価が大きく下落するなど、世界経済の動向も十分に注視しながら、そのインパクトに見合うだけの必要かつ十分な経済財政政策を行ってまいります」

 「これまでに国内で新型コロナウイルス感染症を発症し、お亡くなりになった方は、5人です。ダイヤモンドプリンセス号の乗客の方からも6人がお亡くなりになりました。心よりご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の皆さまにお悔やみを申し上げます。多くの国民の皆さんが今回のウイルスについてさまざまな不安をお持ちであると思います。ただ、クルーズ船も含め、これまで日本国内で陽性と判定された方々のうち、140人を超える皆さんが既に回復し、退院しておられます。このウイルスに感染しても多くは軽症であるとともに、治癒する例も多い。これが専門家の皆さんの評価です」

 「その上で季節性インフルエンザよりも長くなる例が報告されており、特に基礎疾患を有する方には重症化リスクが高いと考えられています。そのため政府としては感染拡大の防止に引き続き全力を挙げる一方、重症者の発生を最小限に食い止めるべく、盤石な検査態勢、医療体制を講じていく考えであります」

(3)に続く



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