日銀の黒田東彦総裁は2日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた株価急落などの金融市場の混乱を受け、異例の緊急談話を発表した。「今後の動向を注視し、適切な金融市場調節や資産買い入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく方針だ」とした。市場の混乱を抑える狙いがあるとみられる。
黒田氏は、最近の株価急落や為替相場の乱高下といった市場動向に関し「経済の先行きに対する不透明感が強まるもとで、不安定な動きが続いている」と指摘した。株価下落が止まらず、実体経済への悪影響が明らかになれば、追加金融緩和を検討する可能性がある。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は2月28日、緊急声明で利下げを検討する方針を表明した。