新型コロナウイルスの流行を受け、楽天が3日に開いた携帯電話事業に関する会見は、インターネットを通じたライブ配信のみでの実施となった。晴れの舞台に水を差された格好だ。通信業界は今後、楽天への対抗策や第5世代(5G)移動通信システムの新サービスなど大規模な発表が続く見通しだが、これらも自粛するケースが増えそうだ。
楽天は、発表会直前の2日、中継のみの発表を決めた。三木谷浩史会長兼社長も3日の会見で「プレスカンファレンスといっても、本日はプレスはいません」と残念がった。
楽天に割安の料金プランを提示された携帯電話各社はいち早く対抗策を打ち出し、5Gの新サービスをアピールしたい考えだが、大規模な会見の開催に向けて、日程調整や会場設定に苦慮しているのが現状だ。NTTドコモの担当者は「実施できるか…。ウイルスの収束を願うしかない」とこぼす。
これまでにない5Gの新サービスは、実機を体験できる場を設けなければ、消費者に魅力が伝わりにくい。メガネ型機器といったウェアラブル端末を活用した新サービスなどの実演の機会が失われれば、5Gへの期待もしぼみかねない。