議員の出席停止処分をめぐり、地方議会に懲罰処分の取り消しを求める訴えが裁判の対象になるかどうかが争点となった訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は4日、審理を大法廷(裁判長・大谷直人長官)に回付した。
大法廷回付は新たな憲法判断や判例変更をする場合に行われる。除名以外の懲罰処分は裁判所の司法審査の対象にならないとした昭和35年10月の最高裁判例が見直される可能性がある。
大法廷で審理されるのは、宮城県岩沼市議会での発言をめぐり出席停止処分を受けた元市議の男性が、市に処分の取り消しを求めた訴訟。男性は市議だった当時、平成28年の9月定例会の全23日間の出席停止処分を受け、議員報酬27万8300円を減額された。
30年3月の1審仙台地裁は、出席停止処分は議会の自治に委ねるべきだとして、司法審査の対象にはならないと判断。男性の訴えを却下した。これに対し、同年8月の2審仙台高裁は「議員報酬の減額につながるような場合は司法審査の対象になる」と判断した。