【ワシントン=塩原永久】米大統領選の民主党候補指名争いは3日、14州などの予備選・党員集会が集中するスーパーチューズデーで、穏健中道派のバイデン前副大統領(77)が南部テキサス州など9州を制して復活した。緒戦で首位を走った急進左派のサンダース上院議員(78)は最大票田の西部カリフォルニア州でリード。同日に参戦したブルームバーグ前ニューヨーク市長(78)らは振るわず、バイデン、サンダース両氏の対立構図が固まった。
民主党の予備選・党員集会は全米50州などに割り振られた一般代議員計3979人を奪い合い、1991人を超えた候補が指名を獲得する仕組み。スーパーチューズデーは約3分の1の代議員の行方を決めた。
米メディアによると、バイデン氏はテキサス、バージニア、ノースカロライナ、テネシーを含む南部7州などで勝利。サンダース氏は地元の東部バーモント州や西部のコロラド、ユタ両州で勝利し、カリフォルニア州で着実に代議員数を重ねている。
出馬が遅れた穏健中道派のブルームバーグ氏は米領サモアを制したが伸び悩み、米メディアは撤退も含めて検討中と報じた。左派のウォーレン上院議員(70)は地元の東部マサチューセッツ州でも勝利できず、勢いを欠いた。
穏健中道派のブティジェッジ前サウスベンド市長(38)とクロブシャー上院議員(59)が撤退し、バイデン氏への支持を表明したことで、11月の本選でトランプ氏に勝てる候補としてバイデン氏に中道系有権者の支持が集まったとみられる。米紙ワシントン・ポストの出口調査によると、「トランプ氏を打倒できる指名候補」を望んだ有権者の43%がバイデン氏を支持し、サンダース氏は23%だった。