福島県浪江町にある世界最大級の再生可能エネルギーを活用した水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」の開所式が7日行われた。
拠点内の太陽光パネル約6万8000個で発電した電気を使って水を分解し、水素を製造する。年間最大900トン規模の水素の製造と貯蔵が可能で、需要予測に基づき作られる。本格稼働は7月を予定。利用までも含めたシステムの検証を目的としている。東京オリンピック・パラリンピックでもバスの燃料や聖火台の燃料などとして使われる。
開所式に参加した安倍晋三首相は「世界最大のイノベーション拠点になる。2030年までに水素の製造コストを10分の1以下にする」と述べ、普及に意欲を示した。
FH2Rは新エネルギー・産業技術総合開発機(NEDO)の技術検証プロジェクトとして、東芝エネルギーシステムズ、東北電力、岩谷産業らが協力して開発を進めた。
環境問題が叫ばれる中、二酸化炭素(CO2)を使わない水素製造方法に多くの注目が集まっており、東京五輪以外にも、サッカー練習施設「Jヴィレッジ」をはじめ、県内外のスポーツ施設などで浪江町で製造された水素が広く使われるほか、地域の街づくりに利用される予定だ。