【ワシントン=住井亨介】ペンス米副大統領は6日、ホワイトハウスで記者会見し、新型コロナウイルスの集団感染が疑われ西部カリフォルニア州のサンフランシスコ沖合に停泊していたクルーズ船「グランド・プリンセス」について、乗客・乗員21人の感染が判明したと発表した。
同船は、横浜港に集団感染で停泊していた「ダイヤモンド・プリンセス」と同じ米船会社「プリンセス・クルーズ」が保有しており、乗客・乗員は約3500人。今月4日に集団感染の疑いが明らかになり、5日に検査キットを同船に投下するなどして州当局や米疾病対策センター(CDC)が検査をしていた。
ペンス氏によると、検査対象となったのは46人で、乗員19人、乗客2人から陽性反応が出た。同船には日本人4人が乗船しているが、感染者に含まれているかは不明。同船は商用ではない港に入り、乗客・乗員全員が検査を受ける。
米CNNテレビ(電子版)によると米国内での感染者は6日、282人に達した。感染拡大に伴い、各地では大規模イベントが相次いで中止となっている。
南部テキサス州オースティンで3月中旬に開催予定だった映画、音楽、デジタルテクノロジーの複合祭典「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」の中止が6日発表されたほか、フロリダ州マイアミで予定されていた大規模音楽祭「ウルトラ・ミュージック・フェスティバル(UMF)」も中止となった。
トランプ大統領は6日、新型コロナウイルスの感染拡大に対処するため、ワクチン開発費などを盛り込んだ83億ドル(約8700億円)の緊急対策法案に署名し、同法が成立した。