新型コロナ、国会でも感染防止策を議論 議席間隔など対応へ


 肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大を受け、衆参両院が国会内での対策に乗り出している。参院は議員に感染者が出た場合に氏名を公表することを決め、衆院では与党が対策本部の設置を提案。令和2年度予算案の審議も終盤戦に入り、新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案の審議が控える中、両院は対応を急いでいる。自民党政調会も大規模な会合などで対策に乗り出す。

 「早めにきちんとした備えが必要という共通認識は(与野党で)できた。罹患(りかん)者が出た場合の本会議のルールを早急に決めたい」

 参院議院運営委員会与党筆頭理事の大家敏志氏(自民)は6日、記者団にこう強調した。

 参院では、5日の同委理事懇談会で事務局がまとめた案を基に、議員が感染した場合の対応の協議を始めた。翌6日、感染した議員の名前の公表を決め、9日の理事会では秘書やスタッフが感染した際に事務所名を公表することを決めた。

 衆院も6日の議運委理事会で、与党側が感染者が出た際に備えた対策本部の設置を提案。与野党は引き続き協議を続けるが、高木毅委員長(自民)は「議員や秘書、国会職員も含めて感染者、濃厚接触者が出たらどうするかを決めていくことが必要だ」と述べた。

 本会議や常任委員会などでは、議員同士の距離も課題に挙がる。参院事務局によると、議員が一堂に会す本会議場では50~60センチ幅の議席に議員が隣り合い、予算委員会が行われる参院第1委員会室では、隣り合う席の肘掛けまでの幅が5センチ間隔と距離が近く、“混雑”状態は免れない。

 参院では議員に感染者が出たことを想定し、本会議で議員同士が一定の間隔をあけて座ることなども検討。与党は9日の議運委理事会で傍聴席も使った座席案を提示、野党は持ち帰った。与党幹部からは本会議や委員会を最低限の人数で開催するなど入場制限も検討課題として挙がっている。

 一方、自民党は週内にも政調会の部会や調査会、特別委員会など出席者が100人を超えるような大規模会合での座席の配置を変える方向で調整している。

 部会では出席者が対面する配置が多いが、全員がひな壇に向かって座る“講義型”とする。向かい合うひな壇と最前列の座席の間には一定の距離を置く。出席者を国会議員に限定し、室内の定期的な換気や関係者に手指のアルコール消毒を徹底してもらうなどの対策を図る。(今仲信博)



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