イタリアの移動制限、全土に拡大





全土で移動制限が実施されるイタリア。ベニスのサンマルコ広場も人影がまばらだった(AP)

 【アテネ=三井美奈】イタリアのコンテ首相は9日、新型コロナウイルスの感染拡大を止めるため、全国で移動制限を実施すると発表した。8日の政令で、北部ロンバルディア州と周辺14自治体で地域間の移動を原則禁止しており、これを全国に広げる。

 コンテ氏は9日の記者会見で、「今は自宅にとどまるべき。イタリアのため、みんなが生活を変えねばならない」と訴えた。新たな政令は10日に発効し、4月3日まで実施される。

 8日の政令で、ロンバルディア州など対象地域を出入りする際は、健康や仕事上の必要性を示す証明書の携帯が義務付けられており、今後は全国でこれを踏襲するとみられる。証明書は、路上や鉄道での検問の際、提示が求められる。物資の移送は認められている。

 コンテ氏はスポーツ・イベントを中止し、スキー場を閉鎖する方針も示した。小学校から大学までの全国休校も、4月3日まで継続する。

 イタリアの感染者は、9日時点で9172人。死者は463人となり、2日間でほぼ倍増した。感染者、死者数とも中国に次いで世界で2番目に多い。

 感染スピードの速さは「震源地」となった中国・武漢に似ているとの指摘があり、イタリア政府は感染拡大に歯止めをかけるため、異例の強硬措置に出た。同国は65歳以上人口が22%と欧州連合(EU)で最も高く、感染による死者の増加につながっているとみられている。



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