国と東電に賠償命令 原発避難者訴訟、札幌地裁





東京電力福島第1原発事故で北海道へ自主避難した住民らの訴訟の判決で、札幌地裁に向かう原告ら=10日午前

 東京電力福島第1原発事故で福島県などから北海道へ転居を強いられたとして、自主避難者ら257人が東電や国に総額42億4050万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、札幌地裁(武藤貴明裁判長)は10日、国と東電に賠償を命じた。全国に提訴された約30件の訴訟のうち15件目の判決。

 原告の9割は事故時、福島市など避難指示区域外に居住。東電は一部の原告に支払った賠償について「国の指針に基づいており、妥当な額」とし、その他の原告については自主避難で賠償責任はないと主張。国は「津波による浸水を予想できなかった」と責任を否定していた。

 訴状によると、東電は地震や津波のリスクを予見できたのに対策を怠り、国は原発の設置を許可したのに安全確保策を取らなかったと主張。被ばくによる健康被害の不安など精神的苦痛を受けた上、避難により平穏な生活を害されたとしている。



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