震災9年で関連倒産2千件、支援むなしく息切れ倒産相次ぐ

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 東日本大震災から11日で9年を迎えたが、震災後の苦境から立ち直れない企業は多い。帝国データバンクによると、震災関連の企業倒産(負債1千万円以上)は今年2月末までの約9年間で2021件、負債総額は1兆7048億600万円に上った。復興が進み倒産は減少したものの、2月末までの最近1年間は9件増の50件で、初めて前年を上回った。“息切れ”する企業がじわりと増える中、新型コロナウイルスの問題も追い打ちをかけそうだ。

 今年1月31日、大正9年創業の東北最大規模の老舗造船業、ヤマニシ(宮城県石巻市)が東京地裁に会社更生法の適用を申請した。震災の津波で製造設備が甚大な被害を受けて実質的な休業に追い込まれながらも、官民ファンドなどの支援を受けて事業を再スタート。被災企業の“復興のシンボル”として再建が期待されたが、復興需要が先細る中、世界的な造船不況をはね返す経営体力を養うことはできなかった。

 昨年10月には福島市土湯温泉町にある老舗旅館、松雲閣が破産手続きを開始した。東京電力福島第1原発事故の影響を受け、東電からの賠償金などを活用しながら事業を継続してきた。だが、客足は思うように伸びず、根強く残る風評被害を払拭することはかなわなかった。

 ここに来て浮き彫りになっているのは、補助金などの資金調達支援策による企業再建の「限界」だ。資金があっても、厳しい事業環境が続けば経営を立て直すことは難しく、「資金支援は結局、企業の延命にしかならない」(関係者)という指摘がある。全国的な課題である人手や後継者の不足に加え、風評被害といった立地による問題を解決する「抜本的な対策が見当たらない状況」(帝国データバンク)に陥っている。

 震災に関連した9年間の地域別の倒産件数では、関東の973件が最多で、次いで東北の419件となった。ただ、直近の2年間は関東よりも東北の倒産件数が多くなっており、直接的な被害を受けた東北では震災の影響がいまだにくすぶる現状が色濃く映る。

 業種別ではサービス業が447件で最も多く、中でもホテル・旅館経営が125件と突出した。新型肺炎拡大で旅行やイベントの自粛が続いており、被災地で旅館業の息切れ倒産が急増する懸念も強まっている。(西村利也)

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