経済正常化急ぐ中国 新型コロナ感染者「逆流」を警戒





13日、北京の繁華街・王府井では、営業を再開する店が増えて買い物客の姿が徐々に戻ってきている(三塚聖平撮影)

 【北京=三塚聖平】中国では、新型コロナウイルスの新たな感染者が減少している中で、経済活動の正常化に向けた動きが活発になっている。上海市で観光地の一部が営業を始めたほか、各地では工場の操業再開も徐々に進んでいる。ただ、中国当局は海外からのウイルスの「逆流」に神経をとがらせており、日本などからの入国者に対する管理が強化されている。

 中国メディアによると、1月下旬から閉鎖が続いていた上海ディズニーリゾートの一部施設が9日から営業を再開した。上海ディズニーランド本体の休園は続いているものの、ホテルや公園などが営業時間短縮などの制限措置をとった上で営業している。上海では、観光名所で知られる豫園(よえん)の付近で老舗レストランの一部が、感染防止のため中止されていた店内での飲食を再開したと伝えられる。

 13日には、米アップルが中国本土にある全直営店の営業を再開させたと報じられた。北京中心部でも、営業を再開させる飲食店や小売店が徐々に増え、通勤時間帯には渋滞も発生するようになってきている。

 11日には感染の震源地となった湖北省武漢市で一部企業の操業再開が認められるなど生産の正常化に向けた動きも目立っている。

 李克強首相がトップを務める新型肺炎対策の指導グループが12日に開いた会議では「効果的な措置を取って企業の操業・生産再開を加速させなければならない」との方針が示された。13日には中国本土の感染者が前日から8人増と1桁台になったと発表された。感染拡大に歯止めが掛かったと判断して、景気悪化阻止へ経済活動を正常な状態に戻そうと急いでいる。

 一方で、国外からの感染者の流入には警戒を強めている。中国は10日から滞在日数15日以内の日本人に対する査証(ビザ)の免除措置の一部を一時的に停止。11日には北京市が、全ての入国者を対象に自宅や施設での14日間の隔離措置を求めると表明している。

 李氏が9日に開いた会議では、海外での感染拡大を受けて「水際対策を強化する」と確認された。



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