【パリ=三井美奈】新型コロナウイルス感染が広がるイタリアに13日、中国が派遣した医療支援団が到着した。中国が国際貢献する「余裕」を示すことで、国内のウイルス克服を印象付ける狙いとみられる。
伊メディアによると、支援団9人は、マスクや呼吸器など医療機器約30トンとともにローマ入りした。イタリア赤十字代表は「医療品が払底しており、大変ありがたい」と謝意を示した。イタリアは昨年、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の覚書に調印している。
イタリアは欧州で感染が最も深刻で当初、欧州連合(EU)にマスク供給で支援を求めたが、ドイツやフランスは自国への供給を優先し、EUによる物資支援は実現していない。
中国国家衛生健康委員会は12日、国内で新たな感染者数が減少しているとして、「国内で流行のピークは過ぎた」と発表。今後は国際社会に貢献すると述べていた。