エベレスト、新型コロナで登山禁止 地元経済に打撃

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エベレスト登山は禁止となった=ネパール・プモリ・キャンプ1から(早坂洋祐撮影)

エベレスト登山は禁止となった=ネパール・プモリ・キャンプ1から(早坂洋祐撮影)

 【シンガポール=森浩】新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ネパールは20日までに、今春の登山シーズンに世界最高峰エベレスト(8848メートル)への入山を許可しないことを決めた。経済への影響が懸念される一方、問題となっている登山者の遺体回収などを進める「絶好の機会」と期待する声が上がる。

 ネパール政府はエベレストの登山許可証の発給に際し、1人当たり1万1千ドル(約122万円)の手数料を徴収している。2019年の春季登山シーズンには過去最多の381人に発給された。ホテルや旅行会社など関連する事業者も多く、エベレスト登山はネパールに3億ドルの経済効果をもたらすとされる。

 ネパールにとって貴重な外貨獲得手段だが、世界各国から登山客が訪れることから、感染が拡大するリスクを重く見た。エベレスト以外の山についても立ち入りを制限する。

 経済への影響が懸念される中、「この機会はめったに得られない」と期待するのは、エベレストに24回登頂した世界記録を持つカミ・リタ・シェルパ氏だ。登山客が姿を消すことで遺体回収や清掃活動が容易になるという。

 エベレストには死亡した登山者の遺体が、多数放置されていることが問題となっている。地元紙カトマンズ・ポストによると、エベレストでは確認されているだけで300人近い登山者が死亡しているが、遺体の3分の2は下山していない。遺体の多くは酸素が極端に薄くなる「死のゾーン」と呼ばれる標高8千メートル以上の地点にあり、下ろすにも危険が伴うためだ。横たわった遺体が登山ルートの目印になる事例も報告されている。

 また、エベレストは登山客増加で“観光地化”が進展しており、登山用具や酸素ボンベ、排泄(はいせつ)物などのゴミ問題が深刻化している。登山家らが19年に清掃活動を行った際には、約11トンのゴミが回収された。

 カミ・リタ氏は、登山禁止で仕事がないガイドらを遺体回収や清掃活動に雇用することを提案。「観光客呼び込みに充てる予算を報酬に回せる」と主張している。ネパール山岳協会も政府に対し、この機会に清掃活動を進めるよう要請しているという。

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