在日米軍が管理する「根岸住宅地区」に囲まれて暮らす横浜市の夫婦が、日常生活に制約を受けているとして、国に約1億1500万円の損害賠償を求めた訴訟について、原告側は26日付で、請求を棄却した横浜地裁判決を不服として控訴した。
13日の地裁判決では、原告らの生活や土地の利用が長期間にわたって一定の制約を受けてきたことは認めながらも、「著しい不利益が生じているとはいえない」と指摘。国の安全保障上、同地区に公共の目的があることも考慮すると、「受忍限度を超えた違法な権利侵害には当たらない」として、原告側の主張を退けた。
夫婦の自宅周辺の土地は昭和22年にGHQ(連合国軍総司令部)に接収され、現在も在日米軍が管理。これまでに原告側は、同地区を通り抜ける際には通行証の提示が必要となるなど、長年にわたって日常生活に制約を受けてきたにもかかわらず、国は支援を怠って放置してきたなどと主張していた。