和歌山城公園動物園(和歌山市)で「園長」を務める雌のツキノワグマ「ベニー」が冬眠から目覚めて27日、「仕事始め」の日を迎えた。この日はあいにくの雨で、園舎の扉を開けてもベニーは外へ姿を見せなかった。担当者は「暖かく晴れた日には、きっと外に出てくれるのでは」と園長の“出社”に期待した。
動物園によると、ベニーは推定27歳で、体長約1・4メートル、体重約100キロ。全国の動物園で飼育されているツキノワグマの中では高齢の部類に入るという。昨年12月23日の冬眠以来、食パンや蒸したサツマイモ、バナナなどを2日に1度の割合で食べてきた。
毎年、最高気温が13度以上の日が1週間程度続く時期に「仕事始め」として、園舎内のおりの扉を開き、ベニーを外へ出してきた。だが、高齢になったベニーの体調を考え、今回から無理に外へ出すのではなく、扉を開けて外へ出るのを待つ、という形に変えた。しかし、この日は朝から雨がぱらつき、「水にぬれるのを嫌う」(動物園)ためか、おりの中のベニーは外に出ることはなかったという。