特殊詐欺グループ関与の元神奈川県警巡査に懲役6年求刑


 特殊詐欺グループに関与し、被害者からキャッシュカードを盗むなどして、窃盗罪に問われた、元神奈川県警巡査、蕪木紀哉(かかぶらき・ずや)被告(25)の論告求刑公判が31日、横浜地裁(吉田勝栄裁判官)で開かれ、検察側は懲役6年を求刑して結審した。判決公判は4月8日の予定。

 検察側は論告で、蕪木被告がギャンブルなどで借金の返済に窮し、犯行に手を染めるようになったという動機や経緯は「自業自得というほかなく、酌量の余地はない」と指摘。犯行態様は「極めて巧妙かつ悪質」で、現職の警察官でありながら事件に関与したことは「警察官に対する信用を失墜させるもので、被告の刑事責任は重大」とした。

 弁護側は弁論で、被告が受け取っていた報酬は、犯行で引き出した金額の5パーセントであり、「共犯者間の責任の程度は低い」などと強調。反省の意を示していることや懲戒免職など社会的制裁を受けていることを挙げ、寛大な判決を求めた。

 起訴状などによると、蕪木被告は氏名不詳者らと共謀し、昨年9~10月、「受け子」や「出し子」として、同県内で発生した複数の特殊詐欺事件に関与。被害者からだまし取ったキャッシュカードを使い、現金計約1660万円を引き出すなどしたとしている。



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