自民党の岸田文雄政調会長は31日、新型コロナウイルスの感染拡大に対処するため政府が編成する緊急経済対策に、リーマン・ショック時を上回る財政措置20兆円、事業規模60兆円の対策を盛り込むよう求めた党の提言を安倍晋三首相に手渡した。岸田氏は規模を「不十分」とする党内の不満を踏まえ「首相のリーダーシップで上積みを」と求めた。首相は「未来に夢を持てる日本に復活させていく」と応じた。
対策は3段階に分けた。「感染拡大抑制期」では所得が減少し、日常生活に支障をきたした世帯・個人を対象に大胆な現金給付を要請。中小企業やフリーランスで働く人たちを対象に、現金による定額の助成金を「数兆円規模」で措置することも盛り込んだ。
「反転攻勢期」では観光業や飲食業などを支援するクーポン券の発行が柱。「中長期」にはテレワーク(在宅勤務)の導入促進などを盛り込んだ。農林部会などが求めた「お肉券」や「お魚券」は見送られた。
公明党も31日、首相に提言を渡した。収入が減った人らを対象に1人10万円の現金給付が柱で、自民党と同様に「国費20兆円、事業費60兆円以上」を求めた。石田祝稔(のりとし)政調会長は「状況によってはさらなる対策も必要になる」語った。