WHOテドロス事務局長 米トランプ大統領の「中国寄り」発言に反発





ジュネーブのWHO本部で国連事務総長を迎えるテドロス事務局長(左)=スイス、2月24日(ロイター)

 【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は8日、ジュネーブでの記者会見で、トランプ米大統領がWHOによる新型コロナウイルスへの対応を「非常に中国寄りだ」と批判したことについて「われわれは全ての国に寄り添っている」と反論した。

 テドロス氏は会見で、新型コロナで多くの命が失われているとし、「団結しなければ、全ての国が苦境に陥る」との見方を示した。 トランプ氏を名指しすることを避けつつも、「死者の増加を望まないのであれば、(新型コロナの問題を)政治化するのは控えてほしい」と強調。「米国と中国はともに(新型コロナという)危険な敵と戦うべきだ」と訴えた。また、「われわれは天使ではなく、人間なので間違うこともある」とした上で「最新のデータ、情報やその根拠を全世界に伝え続けてきた」とWHOの正当性を主張した。

 一方、WHOのクルーゲ欧州地域事務局長は8日、トランプ氏が米国からのWHO拠出金の凍結または削減を検討すると表明したことに触れ、新型コロナは「依然としてパンデミック(世界的大流行)の段階にあるので、今は拠出金を削減するときではない」と反発した。WHOのアイルワード事務局長補佐官も同日、WHOが新型コロナ発生の早い段階で情報を得るために「(感染の発生地である)中国と協力することは極めて重要だった」と擁護した。

 トランプ氏は7日、ホワイトハウスでの記者会見で、「WHOは米国から巨額の拠出金を受けている。それなのに中国寄りの態度を取るなら拠出金の在り方を検討する」などと話していた。



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