緊急経済対策に関する問い合わせとみられる電話が9日、経済産業省に殺到し、代表電話やそれぞれの職場への直通電話がつながりにくくなった。少なくとも普段の8倍程度の量の電話がかかってきたとみられ、回線が一時、パンク状態になった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済対策では、中小企業への給付金などの支給対象についての線引きが難しく、中小企業庁がある経産省への問い合わせが急増したようだ。
同省によると、8日には外部から代表電話に約1800件、職場の直通電話に約8万件の電話が入った。平時の直通電話は1日当たり1万~2万件という。9日は前日よりさらに増え、特に午前9時頃に電話が殺到し、終日、かかりにくい状態が続いた。代表電話にかけても誰も出なかったり、職場直通の電話もアナウンスが出てつながらないなどの状態になった。同省厚生企画室では「このようなことは初めて。電話番号を分けるなどの対応を検討する」としている。
政府は7日に決定した経済対策で、中小企業の支援策を拡充。苦境にある中堅・中小企業や個人事業主を対象にした給付金などを打ち出した。このため、中小企業庁のコールセンターへの問い合わせが多いとみられる。また、経済対策には複数の省庁が横断的に関わっただけに、「経産省の担当ではない対策についての問い合わせも来ているのでは」(関係者)との見方もある。経産省もテレワークを強化しており、職員が自宅などからかけてくる電話もある程度、影響した可能性がある。