英ボランティアに存在感 慈善の伝統、コロナで「心一つ」

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ロンドンの病院前で医療従事者に食べ物を届けるボランティアの人々=3月23日(ロイター)

ロンドンの病院前で医療従事者に食べ物を届けるボランティアの人々=3月23日(ロイター)

 【ロンドン=板東和正】新型コロナウイルスの感染拡大と戦う英国で、ボランティアの活動が存在感を見せている。外出制限で生活に支障をきたす子供や高齢者、医療現場で奮闘する人々を支援しようと、多くの人が行動している。英国民にはボランティアの習慣が古くから根付いており、この非常時に助け合いの精神が遺憾なく発揮されている形だ。

 英国全土の小学校が休校になったのに伴って学校給食もなくなり、昼食を子供に食べさせられない貧しい家庭が出ている。

 英メディアによると、英中東部リンカンシャー州の小学校で教頭を務めるパウェルズさんは、先月23日の外出制限以降、複数の職員と協力して経済的に苦しい家庭の児童に昼食を配る活動を開始。毎日、各家庭を回って約8キロを歩いている。パウェルズさんは英メディアに「自分の足で昼食を配達することで子供たちの様子を確認できる」と取り組みの意義を語った。

 英中部などでは、若者たちが高齢者を戸別訪問して物資を渡す活動や、書店の経営者が高齢者に本を無料で配達する取り組みが行われている。感染予防を支援するためホームレスに消毒剤を配る活動もある。

 医療現場の支援を希望する国民は殺到している。英政府が3月24日、病院間で備品を運ぶ業務などを手伝うボランティアを25万人募集したところ、募集開始から24時間ほどで約50万人が手を挙げた。コロナ感染で入院したジョンソン英首相が一命を取りとめたことから医療への関心はさらに高まり、応募者は増え続けている。

 英国でボランティアが活発な背景には、キリスト教の教会が12世紀から、困窮状態にある人々を支援する仕組みを国民の生活に根付かせた歴史がある。18世紀後半以降の産業革命では社会が発展する一方、安い賃金で過酷な労働を強いられる貧困層を救うために慈善団体が次々と設立された。英国には50万以上の慈善団体が存在し、通常時から国民の約半数がボランティアを経験しているとされる。

 エリザベス女王は11日、音声メッセージを公開し「われわれが新型コロナウイルスに負けないことは分かっている」と国民に団結を呼びかけた。ロンドンで慈善団体に所属する男性(31)は「新型コロナの危機的状況が国民の心を一つにし、助け合いの活動が発展している」と話す。

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