新型コロナウイルス感染拡大防止で政府が「人との接触機会8割減」を訴えるなか、カーシェアリングサービス「タイムズカーシェア」の夜間-翌朝の定額プラン利用者が3倍に増えたことが分かった。大幅割引を行っていることもあるが、運営するパーク24グループは「必要な業務などでやむを得ず移動しなければいけない方々に、混雑や接触を極力避けられる手段として提供できているのではないか」と分析している。
利用者が急増したのは、午後6時~午前9時の最大15時間利用できる定額の「ナイトパック」。通常は車種のクラスによって2640~5280円だが、これを全クラス一律500円に値下げするキャンペーンを3月6日から開始した。
すると、3月27日までの3週間の同パック利用者数が、2月14日~3月5日の3週間と比べ3倍に増えたという。こうした状況を受け、当初は3月末までだった予定を4月20日まで延長した。3月の新規入会者も「前年比で若干伸びた」(広報)という。キャンペーンは「状況次第で再延長も検討する」としている。
共用される車両からの感染防止策としては、スタッフが月に複数回行う点検時に除菌スプレーによる清掃を加えているほか、利用者用に全車に除菌スプレーを順次搭載。予約画面などで手洗いとあわせ、徹底を繰り返し求めているという。
公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団によると、平成27年に約68万人(3月時点)だった全国のカーシェア会員数は昨年には約162万人と、4年間でおよそ2・4倍に急増。現在、全国約1万7000拠点で計3万5000台以上が提供されている。