新型コロナウイルスの感染拡大に対応する緊急事態宣言について、安倍晋三首相が16日に対象地域の全国拡大を表明したことを受け、東北各地の自治体首長や飲食店関係者からは「政府にはサポートをしてほしい」「(対象拡大で)ますますお客さんが来なくなる」といった要望や不安の声が上がった。
秋田県ではこの日、佐竹敬久知事が対策本部会議を招集。「県外から人の流入をどう抑えるかが主眼だ」として、各部局に具体策の取りまとめを指示した。
その上で、来週中にも県民への人口密集地での不要不急の外出自粛や、接待を伴う飲食業者への営業自粛などを要請するかどうかを判断することにした。
学校の休校については、秋田市や湯沢市など一斉休校になっている地域以外をどうするか、来週中に判断するという。
山形県の吉村美栄子知事は、対象地域が全国に拡大したことについて「地方は人口も少なく、医療機関も少ない。医療崩壊しないためにも、軽症者を受け入れる施設の確保や、医療従事者を支えることができるよう、政府にはサポートしていただきたい」と話した。
一方、東北最大の繁華街「国分町」(仙台市青葉区)では、対象地域が全国に拡大したことに不安の声が上がった。
同町で30年にわたり営業する居酒屋店の男性店主(36)は「まずは国の融資制度を利用して半年分ほどの固定費の融資を受けることぐらいしか考えられない」と語る。男性の店では今月に入り、1日の売り上げが9割以上減少したという。男性は「緊急事態宣言で時短営業となればますますお客さんも来なくなる。補償を受けられればいいと思うが、今の状況では国への期待もない」と話した。
福島県の内堀雅雄知事は「政府の動きを注視し、方針変更が生じた場合は早急に対応を検討するよう、関係部局に指示した」と話した。